水の輪:三陸能舞台

8月15日(水) 16:00〜16:30

「海に生きる」

浦浜民俗芸能伝承館

8月15日(水) 16:30〜17:30

能楽×民俗芸能 鼎談

浦浜民俗芸能伝承館

8月16日(木) 15:30〜16:00

能「石橋」

越喜来漁港
(雨天時:大船渡市立三陸公民館)

8月16日(木) 17:00

謡 奉納

円満寺

8月16日(木) 20:15〜20:50

新作能「水の輪」

越喜来漁港
(雨天時:大船渡市立三陸公民館)

8月16日(木) 18:00〜21:00

海中映像『海と暮らす』

越喜来漁港 防潮堤

大船渡市長 戸田 公明 挨拶

「第44回三陸港まつり」の連携事業として、三陸能舞台「水の輪」公演が開催されますことを、心からお喜び申し上げます。
  さて、ご案内のとおり、三陸港まつりは、先祖の鎮魂の祈りを込めて世代間の交流を深めつつ、地域住民のふるさとづくりに対する意識の高揚を図ることを目的として開催されて参りました。
  今年で44回目を迎えた伝統あるまつりであり、夏を彩る地域イベントの一つとして広く知られております。
  このような中、今年は、連携事業として、国内外で精力的に活動されている公益財団法人山本能楽堂様により、三陸能舞台「水の輪」公演が開催の運びとなりました。
  このことは、当市の復興を力強く後押ししてくれるものであり、実現にご尽力をいただきました関係各位に衷心よりお礼を申し上げます。
  今回の公演は、「三陸の豊かな海」をテーマに、三陸の子どもたちとともに、新たな能の作品を作り上げるため、衣装・小道具などを手作りするワークショップや、子どもたちによる郷土芸能の披露など、随所に趣向が凝らされた内容となっております。
  あの未曾有の大震災から、早7年5カ月の歳月が流れました。
  ご来場の皆さまには、海への思いを共有していただきながら、豊かな三陸の海からの恵みや、各地で長く伝えられてきた郷土芸能の大切さなどを再認識する機会になりますよう願っております。
  結びに、本公演が大成功を収められますとともに、ご来場の皆さま方のご健勝、ご活躍をご祈念申し上げ、お祝いの言葉とさせていただきます。

ご挨拶  三陸港まつり実行委員会

実行委員長  古水 力

  多くの人命と人々の大切な営みを一瞬にして奪い去った東日本大震災から、7年5か月。

  故人に思いを寄せ冥福を祈り、明日への活力を生み出そうとする三陸港まつりは、全国からの支援により継続されてきました。特に、大震災後は地域の枠を越え国内外の芸能集団を招き交流を深めることで、心の復興の一助とし、また、民俗芸能の活性化を図る場となるよう取り組んできました。

  そうした中、今年の第44回三陸港まつりでは、大阪の山本能楽堂が「海と日本 水の輪:三陸能舞台」としてご出演下さることになりました。三陸では、観ること、聴くことがなかなかできない古典芸能が、海を背景にした野外の特設舞台で繰り広げられます。長い歴史と伝統を誇る「能」をじっくりとご堪能いただければと思います。

  今回の公演の実現にご協力をいただきました、公益財団法人山本能堂 代表理事の山本章弘先生をはじめ能楽師の先生方、御関係者、スタッフ各位に心から感謝申し上げます。

御礼の言葉 ~ 尽きせぬ水こそ めでたけれ

公益財団法人 山本能楽堂代表理事 山本 章弘

  東北大震災でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りし、被害にあわれた皆様にお見舞いを申し上げます。

 この度は、日本財団「海と日本プロジェクト」のご助成により、大震災後7年ぶりに越喜来漁港で開催される「三陸港まつり」のご協力の下、「水の輪:三陸能舞台」の事業を行わせていただきますこと、心より御礼申し上げます。
 新作能「水の輪」は、私が住んでいる大阪の「水の都の再生」を祈念して、平成21年に官民一体となって52日間開催された「水都大阪2009」の最終日を彩るイベントして制作・初演させていただきました。こども達と一緒に水の浄化をテーマに環境問題について考える新しい能の作品です。これまでに、大阪はもとより近江八幡、屋久島、小豆島、ブルガリアなど国内外で18回再演を繰り返し「水を大切にする気持ち」で各地をつないできました。
 本日は三陸のこども達に、かわいい水鳥役として「気仙ことば」でご出演頂きます。さらに浦浜念仏剣舞のこども達が越喜来に住む不思議な鳥として舞台を華やかに盛り上げてくれます。防潮堤の前には、三陸と全国のこども達が海のイメージを描いた1500枚の松の葉を使って美術家・井上信太さんが15本の老松を設置し、佐藤寛志さんによる美しい海中映像が防潮堤に投影される中「水の輪」を上演致します。ご当地・三陸ならではの海の豊かさや恵みを感じて頂きながら「水の輪」をご覧頂ければ嬉しく存じます。
 先月、夏虫山のてっぺんから、越喜来のまちを眺めました。眼下に雲海が広がり、そのすき間からパノラマに広がる越喜来の海と山に囲まれた豊かな自然に目を奪われました。山を下り、今度は防潮堤の上から海を眺めると、青はどこまでも青く、その色の深さに圧倒され、無常な自然を感じつつも、しばらくそこから離れることができませんでした。
 今回の公演では、戸田市長様をはじめ、浦浜念仏剣舞保存会の古水力会長様、潮目をつくられた片山和一良様、寿限無亭の佐藤勝哉様 ほか、たくさんの皆様からあたたかい応援とお力添えを賜りました。このつながりを頂いたことが大きな原動力となりました。
 これからも、ユネスコ世界無形遺産である能楽が、現代社会においてできうる可能性を信じ、三陸の美しい海を未来へとつないでいく活動を、微力ながら続けさせていただければと思っております。  本日はご来場を賜り誠にありがとうございました。

浦浜念仏剣舞について

 岩手県の沿岸南部、大船渡市三陸町越喜来の浦浜地区に伝えられている念仏剣舞。発祥等は不詳だが、江戸時代中期またはその後に始まったものと推測されている。地元では「けんばい」ではなく「けんべぇ」といわれている。念仏剣舞は「反門(へんまい)の呪術的性格と浄土信仰とが結合したもの」といわれている。リアス式の地理のため海と山に阻まれ、かつて陸の孤島と呼ばれた地域の一角である浦浜、そこに生き続けた民衆の素朴な芸能として踊り継がれ今日に至っている。

山本能楽堂について

 山本家は、京都・烏丸三条で約200年間大名貸の両替商を営み、五大両替商の一つとして東京遷都や板垣退助にも資金を提供していました。祇園祭の鈴鹿山では享保3年に山本家が寄贈した能面が今なおご神体に使用されています。山本能楽堂は、山本博之により昭和2年に創設、戦災にあい一度焼失しましたが、昭和25年に再建し、約90年の歴史を持つ、大阪で一番古い能楽堂です。市街地にある3階建ての木造建築で、伝統的な能舞台を持つ能楽堂として貴重な事から、平成18年、文化審議会により「国登録有形文化財」の登録を受けました。大阪のオフィス街「谷町4丁目駅」下車徒歩2分の好立地にあり、「初心者も楽しい能楽堂」として、どなたにでもお楽しみ頂ける公演を多数開催しています。

主催:公益財団法人 山本能楽堂
制作:公益財団法人 山本能楽堂
助成:日本財団「海と日本プロジェクト」
共催:三陸港まつり実行委員会・三陸国際芸術祭2018事務局
協力:NPO法人ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク・一般社団法人アーツグラウンド東北
後援:大船渡市・越喜来漁業協同組合・大船渡商工会議所・一般社団法人大船渡市観光物産協会・大船渡市芸術文化協会・大船渡市郷土芸能協会・㈱岩手日報社・㈱東海新報社

本件連絡先:
公益財団法人 山本能楽堂(担当:山本佳誌枝、小嶋由季)
メール:info@noh-theater.com
電 話:06-6943-9454
FAX :06-6942-5744
住 所:〒540-0025 大阪市中央区徳井町1-3-6

Copyright: Yamamoto Noh Theater 2018 写真:佐藤寛志