浦浜念仏剣舞・金津流浦浜獅子躍の保存会会長・古水 力 氏と観世流能楽師・山本章弘氏による鼎談を行います。モデレーターに武藤大祐氏を迎え、三陸に伝わる民俗芸能とユネスコ世界無形遺産の能楽の歴史と「今」そして「これから」について考えます。
古水 力
大船渡市郷土芸能協会 副会長
大江田河内自治会 会長
三陸港まつり実行委員会 実行委員
浦浜念仏剣舞保存会 会長
金津流浦浜獅子躍保存会 会長・庭元
昭和47年浦浜念仏剣舞に入門し復活に参画。昭和49年浦浜念仏剣舞保存会・三陸港まつり実行委員会を立ち上げ、以来44年間「三陸港まつり」を開催。同年三陸町郷土芸能協会の結成。
平成2年廃絶となった浦浜鹿踊り復活を目指し金津流梁川獅子躍に入門、奥州市江刺区梁川に通い週3日の稽古を開始し、平成3 年頭渡しの儀にて70有余年の空白を埋め金津流浦浜獅子躍として新生復活を図る。以後、週3回の稽古を重ね、平成21年伝授の儀にて金津流浦浜獅子躍として独立を許可され庭元を拝命する。
平成23年、大震災で浦浜剣舞の装束・道具の全てを流失したが、6月18日に犠牲者百か日供養祭を行い活動を再開。平成25年、大震災で全壊した剣舞・獅子躍の拠点施設再建を目指し、浦浜民俗芸能伝承館建設委員会を設置して全国に支援募金を呼びかけるとともに大江田河内自治会を結成し、コミュニティ助成金の獲得に奔走。平成27年4月、新たな拠点施設、浦浜民俗芸能伝承館を完成させる。
現在は、浦浜念仏剣舞、金津流浦浜獅子躍の指導と保存につとめるど同時に、被災芸能団体調査、復活支援活動をおこなっている。
武藤大祐
群馬県立女子大学文学部准教授(舞踊学・美学)、ダンス批評家、振付家。20世紀のアジアを軸とするダンスのグローバル・ヒストリー、および振付の理論を研究している。近年はアーティストが民俗芸能を「習う」プロジェクトを日本各地で調査中。共著『Choreography and Corporeality』(2016年)、『バレエとダンスの歴史』(2012年)、論文「アーティストが民俗芸能を習うということ――『習いに行くぜ!東北へ!!』の事例から」(『群馬県立女子大学紀要』38号、2017年)、「舞踊の生態系に分け入る――ショーネッド・ヒューズと柿内沢鹿踊」(同39号、2018年)など。三陸国際芸術祭プログラム・ディレクター(海外芸能)。
山本章弘
観世流能楽師。重要無形文化財保持者総合指定保持者。大阪城近くの山本能楽堂(国登録有形文化財)を中心に「現代に生きる魅力的な芸能」として、能楽の普及と継承につとめる。大阪商工会議所、大阪市、大阪観光局とともに、大阪が「芸能の都」である事を周知し大阪の文化振興に貢献。近年、東ヨーロッパを中心に能を通じた国際文化交流に尽力する。日本水大賞、外務大臣表彰、関西元気文化圏特別賞、ティファニー財団伝統文化大賞、国際交流基金地球市民賞など多数受賞。
公益財団法人 山本能楽堂 代表理事 公益社団法人 能楽協会理事 公益社団法人 能楽協会大阪支部常議員 京都造形芸術大学客員教授
Copyright: Yamamoto Noh Theater 2018 写真:佐藤寛志