釈徹宗×山本章弘 能からみた日本の宗教 vor.1 「雷電」
能は、寺社文化圏や唱道と関りつつ、多くの作品を生み出してきました。室町時代、足利将軍家にも深く浸透し、武家層の中に宗教文化として深く享受された能。宗教学者 釈徹宗先生と共に、能と宗教の関りについて考えるシリーズ。第1回目は「雷電」。
能 「雷電」
前シテ(菅丞相/菅原道真の霊)山本章弘
後シテ(雷神) 〃
ワキ(法性坊) 福王知登
ワキツレ(従僧) 喜多雅人
アイ(能力)善竹隆司
笛 貞光智宣
小 鼓 吉阪一郎
大 鼓 谷口正壽
太鼓 前川光範
後 見 梅若基徳 河村浩太郎
地 謡 杉浦豊彦 吉井基晴 笠田祐樹 山本麗晃
【あらすじ】
ある夜、比叡山の延暦寺の僧、法性坊が天下のため護摩供養をしていると、菅丞相の霊が現れます。
生前、法性坊は菅丞相の師であり、二人は再会を喜びますが、菅丞相は「自分は冤罪で左遷され死んだので、雷となって内裏に行き恨みをはらそうと思う」と述べます。
そして「その時に朝廷が悪霊退散のために法性坊を勅命しても、その命に従わないでほしい」と願います。
しかし、法性坊が「比叡山は天皇の祈願所であるため、三度勅使が来たら断ることができない」と答えます。
それを聞いた菅丞相の霊は、本尊の前に供えてあったざくろを噛み砕き、寺の戸に吐きかけ、火焔となって燃え上がります。
法性坊が法力で消し止めますが、菅丞相の霊は走り去っていきます。
やがて、法性坊が三度目の勅令により、内裏に召され祈祷をおこなうと、雷神となった菅丞相の怨霊が内裏の中を暴れまわり、法性坊の法力と対決します。
しかし、法性坊の法力に屈し、最後は朝廷から「天満大自在天神」の神号を与えられ、黒雲に乗り虚空へと去って行きます。
「太平記」、「北野天神縁起絵巻」などを題材に、菅原道真が大宰府に左遷され憤死し、死後雷となって内裏に祟ったという逸話から能「雷電」はつくられ、文楽や歌舞伎の『菅原伝授手習鑑』に大きな影響をあたえました。
2022年07月03日(日):
日時 |
2022年07月03日(日): 釈徹宗×山本章弘 能からみた日本の宗教 vor.1 「雷電」 |
---|---|
料金 | 一般前売 3,500円 一般当日 4,000円 |
主催 |
山本能楽堂 06-6943-9454 |
チケットのご予約はこちらから